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中上級障害馬術講習会 開催レポート

平成30年度の中上級障害馬術講習会も、栃木県の壬生乗馬クラブ [1]で2月16日と17日の2日間にわたって開催しました。開催当日は抜けるような青空の下、講習生は自らの騎乗技術の向上を目指して集いました。

初日の1鞍目は「障害飛越のためのフラットワーク」ということで、準備運動などと思っていたら、なんと出てきた馬は公認競技にも出場している馬場馬たちがズラリ!! 斜め横歩、駈歩で八の字乗りなどで正確なバランス、扶助、合図を体感させてもらいました。馬場の練習の様ですが、馬をほぐす(柔軟にする)ためには欠かせないフラットワークと、正しいコース走行をするための操作の正確性は、障害を行う上では必要不可欠なものだということを改めて実感させられました。

<フラットワークの様子>

2鞍目は障害馬に替え、今回の講習会の根幹である「人馬のバランス」と「馬をコントロールしやすい状態にする」を実現するためのジムナスティック(連続障害)です。

正確な歩数かつ安定したペースで設置された3つの連続障害間を走行します。第1障害から第2障害間を5歩、第2障害から第3障害間を6歩で走行するため、障害に向かうペースや飛越前後のバランスを意識して飛越します。しかし、思うような走行ができない場面が多くあり、第1障害は上手くできても、飛越後にバランスを崩して無意識のうちに働きかけてしまい、勢いがついた状態で次の障害にアプローチして歩数が乱れてしまっていると指摘していただき、改善するためのバランスを熱心に指導していただきました。

その後はジムナスティックのコンビネーション障害を含む簡単なコース走行を行いました。障害間の歩数を意識したり、良いコース取りのために操作の正確性を意識したりと、本日の講習内容を思い出しながら受講生は皆必死に走行して、1日目の実技練習を終えました。

<ジムナスティック練習>

騎乗した馬の手入れの後はクラブハウスで先生の講義です。先生からは、一人一人の課題は違い、癖もあるが「何か1つ強く意識し、それを徹底した練習をしてもらいたい。」とのご指導を頂きました。「人馬のバランス」「扶助の強弱」「先々を常に意識する」「重心を安定させる」等々の意識をした練習をして、考える騎乗を継続することが技術の向上につながるのだと感じました。

そして講義のメインテーマ「コースデザイン」です。競技形式のコースで、障害の数、ダブル障害やコンビネーション障害の障害間の歩数や距離などレクチャーを受けて、一人一人コースを書いてみます。普段競技などでコース走行をしていても、スムーズに走行できるコースを考えるのはとても難しいのです。明日の実技3鞍目は「コース走行」。講習生の1名がデザインしたコースを実際に走行するとのことです・・・。

<講義の様子>

夜は恒例の懇親会。鶴見先生オススメのお店で美味しい料理に舌鼓を打ちつつ、先生が当月初めにオランダで馬の買付けに行った話に聞き入ったり、講習生同士の親交を深めながら、楽しい夜を過ごすことができました。

2日目の朝も快晴、この時期としてはめずらしく馬場も凍ることなくひと安心です。実技3鞍目の前に、昨日デザインしたコースを先生がそれぞれの良い点、修正点を解説してくださり、今後のコース下見・走行の参考にもなりました。そして左右手前や完歩の良いコースを選んでいただき、デザインした講習生と先生の指示のもと、全員でコースを設置して、競技と同様に下見をします。

騎乗するのは講習生本人が乗りたいと希望した馬、練習になると先生が選んでくださった馬たち。どの馬も普段は乗り慣れないパワフルな競技馬、外国産馬たちです。前日に習ったフラットワークを取り入れて準備運動を行い、ペースやコース取り等、それぞれの修正点を先生にご指導いただきながら、みんな一生懸命にコース走行をし、最後には全員がそれぞれの課題を改善することができました。 

 <コース走行>

 

ここまでの内容、指導、感覚を与えてくれる馬に乗ることができるのは、この講習会ならではです。

お世話になった馬たちの手入れのあと、先生から「今回の講習をそれぞれ日々の練習に活かしてほしい。そしてまたお手伝いします。」とお言葉をいただき、講習生それぞれにとって充実した講習会となりました。鶴見先生をはじめ、壬生乗馬クラブの皆様、2日間ありがとうございました。

<集合写真>

 

おまけに・・・懇親会で聞かせてくださった、先生が馬の買付けに訪れたオランダで、講習生全員にお土産を買ってきてくださっていました!

かわいい木靴のキーホルダーです。

鶴見先生が選んでくださっている姿を想像すると・・・とても嬉しいですね☆

<おみやげ>

(普及委員会 担当)