1. 開催概要
吉川牧場にて、発達特性をお持ちの子どもとその保護者を対象とした、馬介在活動によるプログラム「ポニーワンデーキャンプ」を開催しました。臨床心理の専門家が「愛着理論(アタッチメント・セオリー)」をベースにプログラムを設計し、馬との関わり合いを通して「安心感の輪」を回すこと、普段の生活では見えにくいお互いの「らしさ」に気づくことを目的としました。福祉ネット・ナナの家と当連盟のスタッフが各親子グループに1名ずつ対応してサポートしました。
- 日時: 2025年12月13日(土) 10:30~15:00
- 場所: 吉川牧場(埼玉県東松山市)
- 参加者: 親子5組(計11名)
- スタッフ:12名
- 協力馬: ポニー6頭、大きな馬2頭(計8頭)
- 主催:福祉ネット・ナナの家(東京都狛江市)
- 共催:当連盟
安心感の輪:親との安定した愛着関係があるからこそ、子どもは外の世界へ「探索(冒険)」に出かけ、不安になれば「安全基地(親)」に戻って心の安定を得ることができます。これを「安心感の輪」と呼びます。
2. 当日のプログラム詳細
① あいぼうさがし:観察
最初のステップは、パートナーとなる「あいぼう(馬)」を選ぶことです。 まずは草をあげながら、「どんな子かな?」「どの子と気が合いそうかな?」と観察しました 。自分で「この子がいい!」と決めるプロセスを大切にしました 。
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② あいぼうになる:お部屋のお掃除とサファリタイム
選んだ「あいぼう」との距離を縮めるため、馬房(お部屋)の掃除を行いました 。さらに親子グループごとに馬の放牧地に入って、あいぼうにあいさつしました(サファリタイム)。
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③ あいぼうと挑戦:お散歩
いよいよ馬と一緒に動く課題です。しかし、いきなり馬を引くのではなく、まずは「人間」同士で練習を行いました 。 スタッフが「馬役」になり、親子がロープで誘導するシミュレーションです。「馬役」は「草を食べたい!」「行きたくない」といった馬の心の声を代弁し、参加親子は「どうすれば伝わるか」を安全な状態で試行錯誤しました 。
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その後、本物の馬(あいぼう)と共に馬場での課題に挑戦。「じゃんけん列車」で隊列を組み 、最後は牧場の外へとお散歩に出発しました。
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④ あいぼうを紹介:気づきの共有
プログラムの締めくくりとして、あいぼうの「しょうかいカード」を作成しました 。 「こんな性格だったよ」「こんな目をしていたよ」といった体験を親子で振り返りながら、自分の「あいぼう」を他の参加者に紹介しました 。最後にはクリスマスプレゼントも手渡され、温かい雰囲気の中で終了しました 。
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3. まとめ
すべての親子がプログラムを最後までクリアでき、どの親子も馬のペースに合わせることができました。参加後の保護者からは、「子どもが他の場所では見られないような自信に満ちた姿を見せてくれた」「普段は単独行動が多い子どもが、母親を気遣ってあいぼう(馬)を選んでくれた」といった声が寄せられました。馬が介在することで、親が子どもの「探索(冒険)」を支え、また子どもが親を頼るという「安心感の輪」が自然な形で機能しました。
本プログラムは、親子関係に焦点を当てることで、「馬に乗らない」馬介在療法(ホースセラピー)の一つの可能性を示したと考えています。社馬連としては今後もこの分野に積極的に貢献する所存です。



















